虚空蔵菩薩像 | 天台宗 長福寺|茨城県水戸市

虚空蔵菩薩像

虚空蔵菩薩像
員数 1幅
分類 絵画(掛幅)
本紙法量 縦91.8×横42.9センチ
品質形状 絹本着色
作者 神田宗庭
制作年代 江戸時代
調査者 藤元裕二・藤元晶子

虚空蔵菩薩像は、記憶力増進を願う「求聞持法」の本尊像たることで有名であるが、稀に本図のような像も作られる。右手に利剣を持ち、左手に如意宝珠を持つ虚空蔵菩薩立像が描かれる。非常に工芸的に巧緻に作られており、その彩色の鮮やかさと文様の美しさ、緻密さは特筆すべきである。殊に金彩色の多様や、衣を鮮烈なパターンで覆い尽くすかの表現は、幕府の仏画師で、寛永寺の御用を勤めた神田宗庭の筆を思わせる。尤も画力の高い八代宗庭・隆信の作とさえ感じさせる。長福寺伝来の作品に数点認められるが、中でも本作は、江戸仏画の至宝とも言うべき佳作である。