太平洋戦争時に梵鐘を供出して以来、永年その音が途絶えていたが、水戸市の篤信家石原彦兵衛氏による梵鐘寄進の発願を受け、鐘楼堂建立事業を実施。平成27年11月、檀信徒の支援を得て事業は無事円成を迎え、さる平成28年5月29日、第257世天台座主森川宏映猊下大導師のもと、「鐘楼堂御親修落慶法要」を執り行った。檀信徒約300名の参列者が法悦に湧くなか始まった。来賓席には本山特使である酒井貫全茨城教区宗務所長を始め、阿純孝天台宗宗機顧問、延暦寺からは小寺照依副執行が列席し、共に円成を慶んだ。鐘楼堂前に荘厳された祭壇には大導師と当山住職が座し、教区住職17名出仕のもと、厳かに梵鐘の開眼作法が奉修。大導師の法則の後には、石原氏により梵鐘が打鐘され、世界最古の貝塚を有する周辺地域に鐘の音が鳴り響いた。法要に続き本堂では、記念式典が執り行われ、座主猊下より石原氏に表彰状が手渡された。酒井宗務所長、高橋靖水戸市長の祝辞に次いで当山住職が挨拶に立ち、「檀信徒の皆さまの信仰心を結集して円成を迎えることができた。この度の建立事業を信仰増大の一大因縁と成し、今後も寺門発展護持のために力を尽し、鐘楼堂建立の本旨に違わぬよう努めます」と謝辞を述べた。
晴天に恵まれた落慶法要
左/大導師森川天台座主猊下 右/森川座主猊下のお姿を一目見ようと集まった檀信徒
左/梵鐘寄贈者石原彦兵衛氏 右/本堂で行われる奉告法要に向かう森川座主猊下
左/第257世天台座主森川宏映猊下 右/酒井宗務所長の祝辞
左/高橋靖水戸市長の祝辞 右/当山住職の謝辞