阿弥陀二十五菩薩来迎図 | 天台宗 長福寺|茨城県水戸市

阿弥陀二十五菩薩来迎図

阿弥陀二十五菩薩来迎図
員数 1幅
分類 絵画(掛幅)
本紙法量 縦111.8×横71.0センチ
品質形状 絹本着色
制作年代 江戸時代
調査者 藤元裕二・藤元晶子

西方浄土より来たりて、往生者を向かえる来迎図は、古代より親しまれていた重要な仏画主題である。本図は、阿弥陀三尊と25の菩薩が集う、所謂「二十五菩薩来迎図」である。画面下部に、正面観の強く、且つ動きを示さない阿弥陀三尊像が描かれ、上部には向かって左上より右下に至る諸菩薩が表される。その描写は中国風(宋風)が強く、個々の菩薩の表現も整っており、良質の原本に基づくことが窺える。

他方、本図で特徴的なところは2点ある。1つは、阿弥陀如来の衣が、あたかも清凉寺式釈迦如来の如く、カーブを多用し、それを幾重にも引き連ねることによって表されている点である。さらに、阿弥陀三尊の正面観が強く静的である一方、二十五菩薩像は斜め方向の動きが意識されている点、即ち、三尊と二十五菩薩の関連が見受けられない点である。恐らく、三尊と二十五菩薩の原本が異なり、本図において組み合わせた結果発生した齟齬なのであろうと目される。このような合成は、仏画においては室町時代以降に盛んになる現象であり、その一つの顕れを示す好例と言えよう。